予備校の示した条件

Attention

「だって、悪いほうに転ぶ可能性もあるってことでしょう?」だが神経科学者のJ・Gはこう言っている。

「それはつまりどういうことかというと、どんな子でもあきらめちゃいけないってことだ。 望みはかならずある」すでに見てきたように、思春期の脳はほぼ完成しているという定説はくつがえされ、大がかりな再構築が行なわれていることが明らかになった。
それは脳のさまざまなシステムに及んでいるので、私たちはティーンエイジャーという存在そのものをとらえなおす必要がある。 10~12年という期間に、思春期の脳はかすかな変化や、あっと驚くような劇的な変化をいくつも経験し、子どもからおとなへと変容していく。
思春期の前頭葉の灰白質は、ぶあつくなったと思うと、とつぜん削りとられ、薄くて鋭利な思考マシンになる。 脳のなかでいちばん人間らしい場所である前頭前野も、この時期に最後の仕上げが行なわれ、そのおかげで怪しいものに用心したり、原因と結果を結びつけたり、「そうじゃないかも」という推測ができるようになる、つまりおとならしい振る舞いが可能になるのだ。
思春期には、神経伝達物質ドーパミン関連の接続も増えてくる。 ドーパミンは、運動や注意、快感といった高次元の活動に重要な役割を果たしている。
種を問わず思春期の個体は、食べ物を求めて未知の場所を探索したり、生意気な女の子にダンスを申しこんだりと、生きていくためにリスクを冒さなくてはならない。 それを助けるために発達したのが、ドーパミンが関係するこれらの活動だろう。
脳細胞どうしを連絡する細長い軸索は、絶縁体でおおわれることで伝送スピードが上がり、情動や言語といった基本能力を専門にする領域にも、情報がすばやく送られるようになる。 また社会生活で空気を読んだり、ジョークを理解したりするときに活躍する小脳も、思春期になると接続が急激に増えたあと、刈りこまれて強化される。

このプロセスは思春期が過ぎ、20代に入っても続く。 睡眠に関係するさまざまな脳内物質も思春期に変化するので、眠りのパターンも変わってくる。
これは敏感で目のきく若者が、集団を守るために寝ずの番をしていた時代の名残だという説もある。 正常で平均的なティーンエイジャーが育っていくとき、脳のなかでこれだけの変化が起こっているのである。
だから思春期の子が日々見せる行動に、子どもたち自身はもちろん、親もうまく対処していくに住こうした変化を認識し理解することが不可欠なのだ。

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